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「AIで作ったの?」と聞かれたくなかった

エッセイ

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2026/6/2

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「AIで作ったの?」と聞かれたくなかった

  • #じんわり

  • #あたたかい

  • #ぐっとくる

「AIで作ったの?」と聞かれたくなかった

正直に書く。
しばらく前まで、自分の作品が「これAIでしょ」と言われることが、こわかった。
否定されている気がした。
手を抜いた、ずるをした、人間の仕事を放棄した——そう言われている気がして、勝手に身構えていた。

でも最近、それは本質ではないと気づいた。
こわかったのは「AIと思われること」じゃない。
「AIだから、と片付けられること」だ。

* * *

先日、あるクリエイターの方とお話しした。
その人のドキュメンタリー映像を、事前に見ていた。
映像技術を語る前に、画面に「ほんとうのこと」が映っていること自体に心が震えた。
被写体がふと見せた、飾り気のない微笑み。
ほとんどカメラの存在を忘れている。
それを引き出せるのは、撮る人と撮られる人のあいだに信頼関係があるからだ。
技術は、その信頼の上に乗っているだけなのかもしれない。

AIも、たぶん同じだ。
「AIで作ったの?」という問いの本当の中身は、たいてい「"あなた"はここにいるの?」だ。
そのワンカットに、つくり手の実感が込められているのか。
それとも、頭の中だけで完結させたのか。
それを見抜く目を、人はちゃんと持っている。
映像の奥に、あなたがいるかどうかを。

 すべての人に受け入れられるものは存在しない。 

いつか読んだこの一節を、ずっと持ち歩いている。
全員に届けることはできない。
でも、ほんとうのことを描けば、それを感じ取ってくれる人は必ずいる。
ニッチでも、不格好でもいい。
あなたにとって切実で、あなたがそこにいるのなら。
わたしが信じたいのは、技術よりもそっちのほうだ。

「AIで作ったの?」
 ——— はい。

そのうえで、ここに私がいます。
そう言える作品だけを、これからも作っていきたい。

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