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消えるものと、残るもの

エッセイ

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2026/6/1

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消えるものと、残るもの

  • #ドラマ

  • #しっとり

  • #ブランディング

消えるものと、残るもの

企業の採用映像や、ブランディング映像。

世の中に溢れているそれらの多くは、数カ月で消費されて消えていく。
公開されて、少し再生されて、忘れ去られる。

それがずっと不思議だった。
だって、企業の中には、一本の映画になるくらいのドラマが眠っているのに。

創業者が眠れなかった夜。
事業を畳もうとした朝。
はじめて社員が辞めていった日。
はじめて、自分たちのつくったものが、見知らぬ誰かの手に届いた瞬間。
そのどれもが、映画のワンシーンより、よほど重い。

なのに、なぜか「企業動画」という箱に押し込められた途端、数カ月で消費されてしまう。
もったいない、なんて言葉では足りない。

* * *

去年の暮れ、前田代表の言葉に胸を打たれ、私は映画事業部の責任者になった。
なぜ純粋な映画制作ではなく、企業の物語を描こうとしているのと思われるかもしれない。
でも、自分にとっては地続きだった。

映画は、タイムカプセルだ。
100年たてば、画面の中の人たちは、撮っていた自分も含めて全員この世からいなくなる。
それでも作品の中には、その日の空気、匂い、温度が、まるごと閉じ込められて残り続ける。
企業の物語も、同じように残せるはずだ。
数カ月で消える「動画」ではなく、10年後、20年後に、誰かが偶然見つけて立ち止まる「作品」として。

「この会社、この時代に、確かにこういう人たちが生きていたんだ」と。

* * *

だから、ALLIN STUDIOがやりたいことは、たぶんシンプルだ。
企業の中に眠っている「ほんとうのドラマ」を見つけて、消えない形に変える。
広告でもPRでもない、第三の選択肢として。
クリエイターの名前が、ちゃんと残る形で。

“わかる”だけのメッセージは、消費される。

問い続けた末の言葉だけが、誰かの記憶に残る。

ALLIN STUDIOがつくりたいのは、後者だ。

数カ月で消えるものには、おそらく見る側も人生を重ねられない。
10年後も、見る人や企業自身の心に残る作品をつくる。
それだけのことを、本気で取り組みたいと思っている。

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